“A” Living Cube

“A” Living Cube

私達は人工物やロボットに対して、時おり意思や感情などの生命の兆候を見出す。
実在する生物の動作や姿を模倣したロボットは数多く存在し、それらは私達に奇妙な“不気味の谷” を感じさせるが、その動く人工
物が例えば立方体のような明らかに幾何学的な形状をしていた時、それらは私たちが知っている自然物を想起させず、不気味さを感
じさせないのではないだろうか。
“A” Living Cube は人が触れたリズムや押された強さを記憶し、シリコンで覆われた内側機構によってその振る舞いを繰り返す事で、
立方体の内部から模倣して振る舞う「何か」と鑑賞者が関わり合える作品だ。生物の普遍的な振る舞いである真似(=模倣)は、「他
者の行動と同様・同類の行動をとること」と定義される学習の基本行為であり、学習はコミュニケーション(=情報伝達)によって
成り立つ。他者の存在なくしては成立しない「模倣によるコミュニケーション」は、生命だけでなく、ディープラーニングなどの複
雑化した技術の根幹となる振る舞いだ。幾何学的な形状の「モノ」である作品に模倣の振る舞いを抽出して落とし込む事で生命感を
与え、「他者」としてコミュニケーションできる「モノ」を制作した。

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